ワタナベカメラ展


いよいよ今日から始まりました~!『ワタナベカメラ展』の二週目。このワタナベカメラというのは、大阪にある普通の町の写真屋さんなのですが、現在でもレンズ焼きで素敵なプリントをしてくれるお店です。(詳細はこちら


僕は、ネガフイルムからのプリントがどこに行っても満足いかず、ずっとポジフイルムを使っていました。しかし、最近のフイルム業界の流れの中で、ポジフイルムに関するコストと時間がどんどん厳しいものとなってきて、もうフイルムは終わりかな?やめようかな。なんて思っていました。今では、プロラボでもポジフイルムは当日現像してくれませんし、プリントだって東京まで送らないと出来ないと言われちゃいますからね。高いし。


2010年のアルバムエキスポというイベントのアルバムアワードというアルバムのコンテストがあり、そこで娘のアルバムが受賞できたこともあって、会場に足を運びました。その際、フォトシエグランプリという町の写真屋さん達が同じネガから、思い思いのプリントをした作品を展示し、来場者が気に入ったのを選ぶというイベントをやっていました。同じ写真が壁一面にたくさん貼ってあり、どれも個性がありました。カラーをモノクロでプリントしちゃったりしてるのあったけど、勝手にそれやられたら嫌じゃね?とか思いながら適当に見てました。個性はあるけど、ふ~んて。


が!一枚だけ他とは全く異なる個性を放つ写真が目に飛び込んできたんです。何だこれ?!って。立体感とか深さとか、今までこんなプリントが欲しい!と思ってた写真がそこにあったんです。犬の写真だったのですが、その立体感と毛の質感とか、自分がライトボックスでひっそり楽しんでたのがプリントとしてそこにあったのです。当然そのお店だけに投票して帰りました。その場ではそのお店の名前とかが伏せられていたので、そのお店のナンバーだけを覚えて。


結果発表があり、そのお店は見事1位でグランプリ!お店の名前は『ワタナベカメラ』という所。そういやNADARさんで耳にしたことあったなぁ~って。あのプリントを見てから、もう一度ネガで撮ってみたいとウズウズしてて、ちょうど二人目の娘がもう少しで産まれる。って時だったし、意を決して、娘の出産からもう一度ネガフイルムを使おう!と、マガジンにネガフイルムを詰めました。…そう考えてみるとナベカメさんに行き始めてそんなに経ってないんだな。。忘れてた。


そんなわけで、初めてワタナベカメラさんに出したフイルムは、僕が初めて娘に会った日に撮ったもの。大切な大切な時間をフイルムに残したくて、思いのたっぷり詰まったフイルムでした。
初めてのワタナベカメラは、もう異世界で、何だか人が座ってご飯食べてたり、みんなお客さん達同士が話してたり、店長は顔怖いし、でも優しいし、とりあえず大阪怖いって感じで、ビクビクしてました(笑)でも、とても温かかった。写真の話をみんながしてる。不思議とまたここに来たいって思える場所でした。


で、プリントを取りに行った日。仕上がりはもちろん、、ナベカメさん素敵!(←荒木経惟さんの真似)


人肌が本当に綺麗なんです。赤ちゃんの柔らかいトーンが出てて。光の色も、シーツに写る肌の反射した色も、淡くて柔らかい、その場の空気がそこにプリントされていました。


もう、その日からぞっこんですよ。フイルムバンバン使っちゃいますよ!奥さんに怒られますよ。。ちょいと家から遠くて毎日毎週は行けないけど、行く度に温かく迎えてくれる。そしてプリントも最高!

 


きっと、今フイルムを続ける意味はここにあるんだと思う。ここに来なければ、今頃パソコンの前で、パソコンの中で、画像と関わってたと思う。やっぱり写真は手にとって触れられるものじゃなきゃ!と思うんです。だから、PCの中のものは僕の中では画像。デジタルを悪く言う気は全然ありません!自分もデジカメで撮ってますし、デジタルだからこその作品もあるって思います。


でも、写真は良いですよ。五感で感じるんです。手に触れて、目で見て、印画紙やフイルムの匂いを感じて、直接食べないけど、なんか味もあるし、写真を束ねて揃える時のプリントの音も。

 


今回の『ワタナベカメラ展』は、そんな大好きなワタナベカメラさんへのラブレターとでも、、言い過ぎです。大好きなワタナベカメラさんの魅力をもっと皆さんに知ってもらえるような、そんな作品を展示しています。
この機会を与えてくれたNADAR大阪の橋本さんやナベさんにとても感謝しています。そして、一緒に展示に向けて準備した出展者の皆様にも。


是非『ワタナベカメラ展』にお越し下さい。もし展示に来られなくても、直接ワタナベカメラさんにお越し下さい!きっと写真が好きになります。

そういえば、フォトシエグランプリでナベさんが1位獲ったってことはさ、みんなそのプリントが率直に良いと思ったってことだよね。今では少ないレンズ焼きだけど、ここにも経済性とかそういう波に埋もれてしまった素晴らしい技術があるってことじゃないかな?僕の写真を見た人が「なんか懐かしい写真」て感想をよく言ってくれます。僕が小さい頃、きっと町の写真屋さんのラボ機もレンズ焼きのものだったんだと思う。だから、僕ら世代の深層のどこかに残る色や質ってのがあって、それがワタナベカメラのプリントを懐かしいって感じさせると思うんだよね。何が言いたいのか良く分からなくなったけど、ワタナベカメラがある限りフイルムは使い続けたいって思うんです。

 

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コメント: 2
  • #1

    Cana (金曜日, 12 8月 2011 21:18)

    こんばんは(・з・)

    ナベカメさんでお名刺頂いた者です。
    あつーいラブレター!
    こんなに支持されるナベカメさん素敵!!!

    私はフィルム自体まだまだ初心者だし、プリントもまだよくわからないけど、単純に本当ナベカメさんに出会えてよかったーって思います。

    私もプリントみて ナベカメさん素敵!っていえるような写真撮れるようにがんばります!
    しかしこの間、結構本気で撮ったフィルム、現像したら1枚も撮れてませんでした。。。涙。うまく巻けてなかったのかなー。。。

  • #2

    homk (金曜日, 12 8月 2011 23:05)

    こんばんは!
    覚えてますよ〜。イッコウ呼ばわりされたしね…。

    フイルム1本は確かに貴重だけど、その失敗が次の良い写真に繋がると思うよ。僕も何本ミスしてるか…。でも、そういう失敗してた時に撮ってた画って不思議と頭に残ってるんだよね。フイルムで撮ると。

    ブログの写真意外にも素敵じゃない!(←失礼)

    ナベさんにフイルム託して、いっぱい指摘されて、もっともっと素敵な写真を見せて下さい!僕も頑張ります!